「インターネット」という言葉に、普通の人々がふれたのは、1995年1月の阪神大震災がきっかけでした。多くの人の心に深く刻まれた悲しい出来事でしたが、「インターネット」の可能性を見せ付けた出来事でもありました。マスコミを使わずに、普通の人々が情報の発信者になって、世界の人々に被害の状況を、自分たちの手で伝えることが始まったのです。当時の技術者にとって「インターネット」という言葉は、「無限に広がる夢と可能性」と同じ意味を持っていました。
しかし、一部の技術者のための「インターネット」が、ニュースによって「災害に強く、一般の人たちにでも情報を世界中に発信できる」ものとして、伝えられはじめます。そして、「インターネット」が、便利で楽しいものとして、メディアで宣伝されはじめるのに、そう時間はかかりませんでした。「インターネット」ビジネスの幕開けです。日本で世界で、さまざまなビジネスが誕生して消えていきました。
10年以上経った現在、「インターネット」は、ごく当たり前のものとして、なくてはならないものになりました。普通の人々は、これほど一般生活に浸透するとは、思いもしなかったことでしょう。ところが数年前から、「インターネットで実現できるサービスは出尽くされた」と言われ始めました。本当にそうでしょうか。現在の「インターネット」が、私たちを心から便利にしてくれているのでしょうか。
残念ながら現在の「インターネット」は、技術者が当時描いていた10年後の世界ではありません。1995年の私たち技術者は、もっと夢と希望にあふれた未来を想像していました。
現在の姿は、世界各国の一部の会社の利益に合わせた進化の結果です。いままでは、私たちアイズには出来なくても、世の中のすばらしい人たちが実現してくれるに違いない、と思っていました。しかし、悲しい事に現実はそうではありませんでした。
そこで私たちアイズは、本来の「インターネット」のかがやく未来を取り戻すために、プロジェクトをスタートさせました。
「インターネット」を、もっと夢と可能性の広がる世界に変えるために・・・
2006年6月
代表取締役社長 飯島恭太郎